GUT FEELING
腹がすわる、腹を決める、腹に落ちる、腹を探る…
腸(はらわた)が煮え繰り返る…
断腸の思い、腹の虫がおさまらない…
等々、感情を表す慣用句には特に「腹」や「腸」がよく使われています。
腸から生まれた脳
それもそのはず、私たちの遠い祖先は、体内に腸しか持たない単純構造の生物であったと考えられています。
その生物は食べ物を求めて体の形を変えて進化し、やがて腸から広がった神経細胞が体をコントロールするようになり、それが中心に集まり、脊髄の原型となります。
更により複雑な動きを可能にするため神経細胞が一部に集まり、それが脳の原型となりました。
ということは腸は【脳の親】とも呼べるということ。
また実際、腸は脳から独立した神経ネットワークを持っているので【第二の脳】とも呼ばれています。
脳腸相関
腸は脳からの指令がなくても独立して活動できるものの、双方はさまざまな経路を介して繋がっています。互いに情報伝達を行い影響し合う関係を【脳腸相関】といいます。
❶神経系(迷走神経、自律神経)
ストレスや緊張を感じると交感神経を介して腸へ信号が送られ、腹痛や便秘や下痢を引き起こします。また腸内環境は迷走神経を介して脳に伝わり気分に変化が現れます。
❷内分泌系
腸で作られたセロトニンやサイトカインなどの神経伝達物質は血液を介して脳に作用します。
❸免疫系
最大の免疫組織である腸のバリア機能が低下すると、有害物質による炎症情報が脳に伝わり脳機能に影響します。
例えば、リラックスして美味しいものをいただくとき、とても幸せな気分になります。
食事から摂取した必須アミノ酸(トリプトファン)は幸せホルモン “セロトニン” の材料。セロトニンの90%が腸で生成されています。
セロトニンが直接脳へ送られるわけではないけれど、脳内セロトニンの生成にも必要なトリプトファンが血流に乗って送られることで精神的にも影響があるわけです。
※トリプトファンを多く含む食材…米、大豆製品、乳製品、卵、肉、魚、ナッツ類
脳自体にも幸福感や満足感というポジティブな影響があり、副交感神経が優位になって消化機能が促進されます。いかに “楽しい食事” が身体と精神にとって重要であるかがわかります。
こうして腸と脳が互いに深く影響し合っています。
【GUT FEELING】は直感という意味ですが、それは頭で察知するよりやはり腸で感じ取るもの。
今日は何を食べるか食べないか、誰と会うか会わないか、どんな風に遊んで休むのか。
周りや情報に合わせて決めるのではなく、たまには “腸の感じるまま”にしてあげる方がいいかもしれません。


