2023.9.23.Sat

Bandha(バンダ)について。

 

 

実は私は2月末に事故に遭い、今まで築き上げてきたヨガができなくなりました。

また一からアーサナを作り上げていく日々です。

 

麻痺や痺れ、痛みのある左半身を庇うように練習するなかで、改めて【バンダ】の大切さに気づきました。

 

特にアームバランス系は力技ではなく、バンダ技であり、さほど柔軟性も筋力もいらないのだとリハビリの中で学びました。

(アームバランスとは腕の支えがないと成立しないアーサナ全般のことを指すので、チャトランガ(腕立て伏せのようなポーズ)もアームバランスに含まれるのですが、ここでは脚を浮かせて完全に腕2本だけで全身を支えるアーサナのお話です)

 


 

【バンダ】は数種あるのですが、重要視すべきは3つ。

ムーラ・バンダ…会陰部、肛門、骨盤底の引き締め

ウディヤナ・バンダ…腹部(丹田の位置)の引き締め

ジャーランダラ・バンダ…喉の引き締め

※3つ合わせて【バンダ・トラヤ(マハーバンダ)】と言います。

これを習得することによって、体内の潜在能力であるクンダリニーが覚醒し、人間の超自然能力が発揮できるようになると言われています。

 

 

バンダは一般的に「筋肉の引き締め・引き上げ」と説明されますが、私の感覚では引き締めた先の、プラーナ(気)をためて充実させるという感覚が強く、また大切であると感じます。実際は引き締めているのですが…その先にある自由や豊かさ、無敵感を感じてほしいので、私は指導時に無闇矢鱈に「引き締めて」と言わないようにするというこだわりがあったりします。

ムーラ・バンダは「ロックしてエネルギーが漏れないようにする」という感覚で間違いないですが、ウディヤナ・バンダはお腹に太陽があるような凄みを感じます。

 


 

さて、バンダを使ってアームバランスをやってみるとき、まずは【プラーナヤーマ(調気法・呼吸法)】を使ってお腹にプラーナを取り入れます。そしてそれを逃さないで、ためて、効率よく活用する為に、バンダです。

 

バンダを使わないと重心を移動した時にそもそも脚が上がりません。バンダを使うと今の私のように体を痛めていても、ある程度はカバーできるようですし、アーサナを導き、安定させるのに大活躍してくれていることが分かります。

 

いつも目で見えるものの話ではなく目には見えないものの話になってしまいますが、ヨガのアーサナは目で見えない部分の微細なコントロールが非常に重要です。

 

バンダを使えるようになると、身体の使い方が格段に向上するので、想像力を働かせてプラクティスに取り組んでみて下さい!