2021.8.1.Sun

アーユルヴェーダ

 

アーユルヴェーダとは、5000年前から伝わるインドの伝統医学です。

単に病気の治療のみを目的にするのではなく、病気を予防したり、健康でより良く生きる為の知恵が含まれています。特にアーユルヴェーダの特徴は西洋医学と違って【一人一人の体質に合わせたアプローチをする】という点です。このことから、アーユルヴェーダはより効率的に無駄なく効果を実感しやすい 医療体系と言われています。

 

 

自分だけの養生法

 

これまで、様々な健康法や美容法、ダイエット法が推奨されてきました。

その度に飛びつき試してみては、思うような効果が得られずがっかりされた経験があるのではないでしょうか。

それぞれの健康法の発案者は声高にそれをアピールしますが、自分にとっては逆効果となり得ることもあります。この情報溢れる時代は一歩間違えばとても危険な状況です。

 


 

アーユルヴェーダの基本は【自分を知ること】であり、他人のレビューや新しいものをキャッチすることに精を出すのではなく、日々の生活の中で【自分の感覚】を磨くことです。

アーユルヴェーダとは、アーユス(生命)とヴェーダ(真理)を合成した言葉ですが、これは自分自身のヴェーダ(真理)ということになります。

 

自分の心と体の状態を把握できれば、心地良い状態を保ち、セルフケアできるようになります。つまりアーユルヴェーダは自分だけの予防医療法であり、養生法でもあります。

 

 

 

心身を作る ” ドーシャ理論  ”

 

私達の体の基礎には、【ピッタ・ヴァータ・カパ】の3種類のドーシャと呼ばれるエネルギーで構成されています。ピッタは火と水、 ヴァータは空と風、カパは水と土の性質を持っており、私達の体質はこのエネルギーの組み合わせで作られています。

 

3つのドーシャのバランスが調和して働く時のみ、人は健康と長寿を享受でき、バランスを崩した時、不快な症状が現れ病気にかかりやすいと考えられています。

多くの人が複数のドーシャを持っていますが、その割合の優劣が 【体質】を作り上げています。中でも1番優勢なドーシャが、外見、思考、行動に現れます。

 
ドーシャの組み合わせや割合は指紋のように個人個人で異なるので、ご自身がどのドーシャの特徴が強いかを知る必要があります。
本来はアーユルヴェーダ医師が問診・脈診により診断されるものですが、簡易的な判定法はネットでもたくさん紹介されていますので是非ご自身の今のドーシャ状況をチェックしてみてください。(生まれつきの体質は一生変わりませんが、年齢や季節、環境によって優勢になるドーシャが変化します)

 


 

人の健康とドーシャ理論は、【お米を炊く】ことに例えられたりします。

ドーシャバランスが整っている状態というのは、ちょうど良い風(ヴァータ)、ちょうど良い火加減(ピッタ)、ちょうど良い量の水(カパ)でお米を炊くことができるので、美味しいご飯が炊けます。そしてそれをいただくことでオージャス(生命エネルギー)を増やし、健康で幸せを感じることができます。


逆に、風(ヴァータ)が強くなりすぎると、火がゆらいでしまうので火が強く当たる場所と弱く当たる場所がバラバラになって、まばらなご飯になってしまいます。また、火(ピッタ)が強くなりすぎてしまうとお米が焦げてしまいます。水(カパ)が多過ぎると水っぽいご飯になってしまいます。

こうした美味しくないご飯はうまく消化されず、アーマ(未消化物・毒素)として体内に蓄積され、様々な病気や老化を起こす素になると考えられています。

 

アーマは体だけではなく、心にも蓄積します。メンタル・アーマは思考の偏りやトラウマ、執着心などが原因となります。

アーマ(未消化物・毒素)がドーシャを乱す原因となるので、体と心のアーマを溜めずドーシャを整える為には、アーユルヴェーダの生活習慣が基本となります。

 

 


 

情報過多な現代では、一体どういった状態が本来の自分の身体、本来の心であるのかが分からなくなってしまいがち。
身体と心が本当に欲しているものに耳を傾けず、人の意見や流行り、周りの要望に合わせ続けることは、本来の自分の状態を見失うことになります。

ヨガや瞑想の時間を使って、ご自身の身体や心の感覚を鈍らせないようにしましょう。
それが老化や病気の大きな予防になるのです。

 

自分を深く理解し、尊重すること。

それが健やかな生活の近道です。