2022.8.12.Fri

猫とわたし(2)

 

 

 

マー坊との出会い

 

マー坊を保護したのは約10年前。

この子との出会いもちょっと不思議なことが起こりました。

 

 

ある日の夜19時頃、車で帰宅途中、道端で子猫を見つけました。

 

田んぼを覗き込んで何か食べられるものを探しているような仕草をしていました。

少し先は車がびゅんびゅん行き交う交差点があり、子猫のよたよたした覚束ない歩き方との対比が凄く怖かったのを覚えています。このままでは危険だと思いました。

 

 

急に近寄ると驚いて交差点の方へ走っていってしまうので、子猫から離れたところに車を停めてもらって、5m以上離れたところに目線を低くして座りました。怖がらせないよう様子を伺いながら少しずつ距離を縮めていく作戦。

 

ですが子猫は私を見つけた途端、私に向かって突進!私の胸に飛び込んできたのです。

腕の中でごろごろしている子猫。初めて会ったのに感動の再会みたいな状況に驚きました。

 

道の反対側に数人ギャラリーさんもいらっしゃって「おお〜!ぱちぱちぱち(拍手)」となっていました。手を離しても大丈夫なくらいしがみつくので、簡単に車の中に保護できて拍子抜け。

近くに母猫がいるかとしばらく待ってみたのですがどうやらこの子は一人で生き延びてきたようです。車の中でも胸に両手でしがみつき、もう絶対に離さない!状態の子猫が愛しく感じました。

 

既に我が家には先住猫がいたので、子猫が病気を持っていてはいけないと思い、一度帰宅して子猫をカゴに入れて、動物病院に連れて行くことにしました。

 

(必死に食べられるものを探していたようで、後日お腹に寄生虫がたくさんいることが発覚…)

でも夜遅かったので大抵の病院は閉まっています。

調べると車で15分ほどの所に夜間動物病院があったので、そこに電話をして予約をしました。ここから不思議なことが起こります。

 

 

 

どうやっても辿りつかない病院

 

その動物病院を車のナビに入れて出発。

 

しかし運転してくれた夫は「この辺りは分かるからすぐ着く」と言っていたのに、道に迷ってしまったのです。ぐるぐると同じところを通ったりして、「なんかキツネにつままれているみたい…」と言っていました。いつも冷静で土地勘もあって運転も上手い夫が戸惑っているのが分かりました。

 

15分で着くはずのところを既に30分間迷っていました。途中遅れる旨を病院に伝える為に発信履歴から電話をかけようとしたら、何故かデータが消えていて電話番号がわからなくなりました。また調べ直して電話をかけ、道に迷って遅れることを伝えて…、

 

ようやく動物病院の看板が見えて着いた!!と思ったら病院名が違うのです。

何故か、辿り着いたのは全く別の動物病院でした。もうここでもいいかと思ったけれどそこは既に閉まっていて、看板にだけ明かりが付いている状況。それに予約も入れてしまっているし…。

 

「ナビ通りにしているのになぜ迷うのか」「なぜ他の動物病院に連れてこられたのか」

車内では不穏な空気が流れ始めます。

「これは何だか良くないかもしれないね。まるでその病院に行かせないようにされているみたい。」と私は言っていました。

 

 

警察沙汰に…

 

しかし道に迷ったことのない夫が意地になってしまい、予約した動物病院に到着。

既に1時間は経っていました。

 

私もひとまず良かったと思っていたのですが、その病院の扉を開けて一歩足を入れた時。

 

その足から冷たいものが上がってきて、全身が凍えるような感覚に襲われました。

 

それだけでなく、どうしようもない悲しい気持ちでいっぱいになり、一瞬で「ここはダメだ」と思いました。入口から動けなくなり、立っていられず、子猫が入っているカゴを抱きながらしゃがみ込んでしまいました。

 

さらに奥から院長が出てきたのですが、その人の周りに黒いモヤがかかっていてお顔の表情も見えないくらい。私は「絶対にこの子をこの人に渡してはいけない」という猛烈な拒絶反応を起こしていました。

 

しかし夫が遅れたことをお詫びしながら問診票を書き始めていました。

 

院長が「一晩預かります」と私から猫のカゴを取り上げようとするのですが、私は意識が朦朧としながらも、カゴを後ろに隠して守る仕草をしました。

 

院長の手前、ハッキリ物を言えなくて。

夫に首を振ったり目で合図をしました。

 

こういうことは今までにも数回あり、信用してくれている夫はすぐに察知してくれました。そして院長に「すみません、予約して遅刻して本当に申し訳ないのですがキャンセルさせてください」と言ってくれました。すると院長が突然激昂。

 


 

 

「予約したんはおたくらやろ!じゃあ1万円置いていけ!」と言われました。

素直に払おうかとも思ったのですが、そういう規約はどこにも書いていないと夫が反論。院長は「今俺が決めた」などと言っていました。

 

それはまぁいいのですが、個人情報を記入した私たちの問診票を破棄して欲しいと言ったら「これは利用させてもらう」と仰ったのです。更に名前と住所をにやにやしながら読み上げ始めたので、これはいかんと夫が「そうですか、では警察を呼びます」と警察沙汰に…。

 

 

警察官が到着して院長をなだめている間、私達は車で待機しました。

待ちながら、さっきの凍えるような感覚の余韻もあり、子猫に対する申し訳なさもあり、ぽろぽろと涙が出てきました。

 

きっとこの子は合図してくれていたのに。

無視してしまったからこうなったんだ。

早くあたたかい部屋でゆっくりさせてあげたいのに。ごめんね。

反省と後悔でいっぱいになりながら待ちました。

 

 


 

 

外まで院長の怒鳴り声が聞こえていました。

15分程で警察官の方が出てきて、大変でしたねと言われました。個人情報を悪用しないことを約束してもらい、警察官の方にはご迷惑をおかけしましたとお詫びをして帰宅。長い長い1日が終わりました。

 

 

後日、その動物病院のことを調べて私が感じたものが何だったのか分かりました。

レビューには、そこで家族を失ってしまった方がたくさん悲痛の声を綴られていました。しなくてもいい手術をされて殺されてしまったり、動物実験のようなことをされたり、酷い扱いをされて傷つけられた飼い主の方ばかりで「この病院には絶対大切な家族を連れてこないで!」とまで書かれていました。

 

あの病院で感じた冷たいものは、無念の死を遂げた動物達の思い、そして家族を失った方々の思いだったのかもしれません。

 

こういう感覚は大切にしないといけないのに、気づかないフリをする癖があります。何度も痛い目を見ているのに。。

 

 


 

 

小さい頃はよく肩に乗ってきたけれど。

巨大化(約6kg)したのでもう無理です。